連邦中小企業庁、給与保護プログラム申請受付再開 – Paycheck Protection Program (PPP)

2020-04-27

2021 年 1 月に再開した給与保護プログラム(Paycheck Protection Program: PPP)のお知らせを掲載いたしました。

2020 年 7 月 4 日に署名された給与保護プログラム申請期限延長(期限:同年 8 月 8 日)、6 月 17 日に SBA が発表した改訂版 PPP 融資返済免除申請書および簡易版申請書、並びに 6 月 5 日に署名された給与保護プログラム柔軟化法(Paycheck Protection Program Flexibility Act)についてアップデートしました。

連邦中小企業庁(Small Business Administration: SBA)は、新型コロナウイルス対策・延長に関する立法化を受け、中小事業保護を目的とする給与保護プログラム(Paycheck Protection Program: PPP)の新規受付を、2020 年 7 月 6 日から再開しました。新たな申請期限は、2020 年 8 月 8 日です。PPP 詳細は、以下をご参照ください。PPP に関する情報や関係官庁の対応等は随時更新されているため、SBA のウェブサイトにて最新情報をご確認することをお勧めいたします。

【ご参考】経済的損害災害融資(Economic Injury Disaster Loan: EIDL)に関するお知らせも、あわせてご覧ください。

1. 申請対象者

  • 個人事業主、独立請負業者、フリーランス(以下総称して「個人事業主」)
  • 中小企業・団体
    • 従業員 500 人以下の企業・団体(関連会社含む)(注1:従業員数、注2:関連会社)
      【例外:「関連会社」を含まない企業・団体】
      • ホテル・飲食店等(NAICS コードの上 2 桁が「72」の企業・団体)は、各所在地の従業員数で判定。
      • フランチャイズ(SBA の基準に該当するもの。SBA フランチャイズ名簿ご参照)
      • 金融支援受領団体(中小企業投資法第 301 条に基づく団体)
    • SBA の規模基準に基づく企業・団体
      • SBA の規模基準は、産業毎に異なる。詳しくは、SBA 事業規模確認ツール(① NAICS コード および ② 年間受領額(annual receipts)(注3)もしくは 従業員数を入力)、または、同基準に関する一覧表ご参照。
      • 特定団体の場合
        • 非営利団体(内国歳入法 501(c)(3) 条に基づく免税団体)
        • 退役軍人団体(内国歳入法 501(c)(19) 条に基づく免税団体)
        • 米国先住民団体(中小企業法第 31(b)(2)(C) に基づく団体)
      (注1)従業員の算定には、フルタイム、パートタイムその他労働者を含みます(例:フルタイム 20 名、それぞれ週 10 時間勤務のパートタイム 5 名の場合、従業員数は 25 名)。但し、返済免除の場合の従業員数算定には、「フルタイム相当従業員」(fulltime equivalent)で計算します(後述「返済条件・免除」参照)。

      (注2)「関連会社」には、主に親会社、子会社および兄弟会社が含まれ、その支配力により決定されます。一般的に、50% 超の保有率が存在する場合には、関連会社に含まれます。詳細は、SBA 用語集(affiliate)、または、連邦規則集第 13 編第 121 条 103 項(13 CFR 121.103)をご参照ください。

      (注3)年間受領額(annual receipts)は、年間の総売上高(total income または gross income)と売上原価(cost of goods sold)の合計で、内国歳入庁(Internal Revenue Service (IRS))への納税申告書で確認できます。

2. 前提条件

  • 2020 年 2 月 15 日において、次の事項が発生していたこと。
    • 事業を営んでいたこと。
    • 企業・団体の場合、次のいずれかが存在したこと。
      • 従業員(給与税対象者)
      • 請負業者(independent contractor – Form 1099-MISC 対象者)
  • 新型コロナウイルス対策で影響を受け、不透明な経済状況において、事業維持のために本融資が必要であること。
  • 備考)信用貸し(credit)で第三者から融資を受けられないことは、条件ではない 。

3. 使用用途:以下項目のために使用可能。

  • 人件費(注1:対象項目、注2:対象外項目)
  • 担保利息(前払い・元本を除く)
  • 賃借料
  • 公共料金
  • 対象期間前に発生した債務の利息
  • SBA の経済的損害災害融資(Economic Injury Disaster Loan: EIDL)の融資も受けた場合、同じ目的のために使用することはできない。EIDL が人件費に使用された場合、PPP は EIDL 融資の借り換え(refinance)となる。(別目的に使用された場合、PPP の申請・使用に影響はない。)

    (注1)人件費対象項目
    • 給与、コミッション、その他類似の報酬
    • チップ、その他類似の報酬
    • 有給・育児・家族・医療・疾病休暇にかかる手当
    • 解雇・離職手当
    • 団体医療給付(保険料含む)
    • 退職給付金
    • 給与にかかる州・地方税

    (注2)人件費対象外項目
    • 従業員一人当たり年俸 10 万ドルを超過する分の報酬
    • 内国歳入法第 21 章、22 章および 24 章に基づく税額
    • 居住地が米国以外の従業員への報酬
    • 疾病休暇手当(家族第一コロナウイルス対策法 第 7001 条に基づくもの)
    • 家族休暇手当(家族第一コロナウイルス対策法 第 7003 条に基づくもの)

4. 融資金額・利息・期間等

  • 融資金額
    • 1 ヵ月分の平均給与額に、2.5 を乗じた額。(注)
    • EIDL を借り換える場合(refinancing)、2020 年 1 月 31 日から同年 4 月 3 日までの支払残額を加算する。但し、新型コロナウイルス対策のための先行融資額は除外。
    • 上限:1,000 万ドル
  • 利息:1 %
  • 期間:5 年
  • 対象期間:2020 年 2 月 15 日〜同年 12 月 31 日
  • 保証や担保は不要。
  • ノンリコース:PPP 融資が無担保・無保証でも、融資額が上述「使用用途」のみに使用された場合は、SBA は、申請者の株主、メンバーまたはパートナーに対し、未返済分について償還請求することができない。

    (注)平均給与額の計算基準
    • 1 ヵ月分平均給与額は、2019 年の給与実績から計算可能。
    • 季節営業の場合、2019 年 2 月 15 日から同年 6 月 30 日までの実績から計算可能。
    • 新規事業の場合、2020 年 1 月 1 日から同年 2 月 29 日までの実績から計算可能。
  • 雇用主負担分の給与税支払いは、50% を 2021 年 12 月 31 日まで、残り 50% を 2022 年 12 月 31 日まで延長できる。
  • 5. 返済条件・免除

    • 次の条件を満たした場合、元本の一部または全部の返済が免除される。
      • 上述「使用用途」の最初 4 項目のために使用された金額(即ち、人件費、担保利息(前払い・元本を除く)、賃借料および公共料金)
      • 人件費が、全体コストの 60% 以上を占める場合
    • 返済免除対象期間:融資期間対象開始日から、以下いずれか早い方の日まで。
      • 24 週間以内
      • 2020 年 12 月 31 日
    • 次の事項が発生した場合、返済免除額は減じられる。(但し、以下「返済免除額が減額されない場合」ご参照。)
      • フルタイム相当の従業員数が、上述の返済免除対象期間で減じた場合
      • 従業員の報酬が、上述の返済免除対象期間の直近四半期と比較し、25% 超減額した場合。但し、2019 年のいかなる給与期間において、年額報酬率が 10 万ドル超であった従業員は対象外。
    • 返済免除額が減額されない場合
      • 次の双方が該当する場合は、返済免除額は減じられない。
        • 従業員数減少または報酬減額が、2020 年 2 月 15 日から同年 4 月 26 日までに発生した場合
        • 2020 年 12 月 31 日までに、従業員数が回復し、または減収となった従業員の報酬額が回復した場合
      • 返済免除額は、フルタイム相当従業員数が減少しても、以下のいずれかを満たしていれば減じられない。
        • 次の 2 点を、文書で証明できること。
          • 2020 年 2 月 15 日の時点で雇用していた従業員を再雇用できないこと。
          • 空席の職について、同等の能力を有する人材を 2020 年 12 月 31 日までに雇用できないこと。
        • 2020 年 3 月 1 日から同年 12 月 30 日の間に、保健福祉長官(Health and Human Services: HHS)、疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)、または労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration: OSHA)が策定した新型コロナウイルスに関する安全対策と照らし合わせ、2020 年 2 月 15 日以前の運営ができないことを、文書で証明できること。
    • 返済が免除されない分は、融資期間において、1% の利息が適用される(上述「融資金額・利息・期間等」参照)。
  • 返済は、SBA が融資金融機関に対して返済免除額を送金する日まで延長できる(PPP 柔軟化法署名前は、返済猶予期間は 6 ヵ月)。但し、上述の返済免除対象期間(即ち、融資開始日から 24 週間または 2020 年 12 月 31 日の早い方)の終了から 10 ヵ月以内に返済免除を申請しない場合は、当該 10 ヵ月後から返済を開始する。
  • 繰り上げ返済の違約金なし。
  • 返済免除額は、元本を超過しない。

6. 申請期限:2020 年 8 月 8 日

7. 申請方法・情報等

  • SBA が認可する金融機関から申請する。
  • 具体的な申請方法は、各金融機関で設定。(金融機関によっては、オンラインのみで受け付けている場合がある。)
  • 申請情報は、SBA Form 2483 (Paycheck Protection Program Borrower Application Form) ご参照。

8. 申請書類(例)

  • 給与処理記録
  • 給与税申告書
  • Form 1099-MISC
  • 収支書(income and expenses。個人事業主の場合)

【返済免除を求める場合の提示文書(例)】

  • 給与支払名簿の従業員数・報酬率の確認のための文書
    • 給与税申告書(内国歳入庁(Internal Revenue Service: IRS)提出分)
    • 州への所得・給与・失業保険申告書
  • 使用済小切手、領収書、債権者目録、担保物権債務・リース契約に基づく支払い・公共料金支払いを証する文書
  • 提出文書が真正であること、および、融資を PPP 目的で使用することの証書
  • その他 SBA が必要と判断する文書

【返済免除申請書】(2020 年 6 月 17 日 SBA 発表)

PPP 融資返済免除申請は、以下 2 点のいずれかの申請書により提出します。簡易版は、より少ない計算・文書で申請可能です。

  • 一般申請書(PPP Loan Forgiveness Application, Form 3508)(2020 年 6 月 16 日改訂)
  • 簡易版申請書(PPP Loan Forgiveness Application, Form 3508EZ) – 次の条件が該当する場合
    • 個人事業主で従業員がいない場合
    • 2020 年 1 月 1 日から 3 月 31 日までの期間と比較し、給与を25% を超えて削減せず、且つ次のいずれかが該当する場合
      • 2020 年 1 月 1 日から対象期間終了までの間、従業員数または勤務時間を削減しなかった場合(但し、2020 年 2 月 15 日時点の従業員を再雇用できず、2020 年 12 月 31 日までに同等の能力を有する人材を雇用できなかった場合、また、勤務時間を回復する申し出を従業員が拒否した場合を除く)
      • 2020 年 2 月 15 日から対象期間終了までの間、同年 3 月 1 日から 12 月 31 日までに発令された新型コロナウイルス対応のための健康・安全に関するガイダンス等のため、事業を削減した場合

9. SBA 連絡先

10. ご参考リンク

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