2023 年 1 月 1 日、ワシントン州の賃金機会均等法(Equal Pay and Opportunity Act)の修正法が発効されます。この修正法では、求人掲載について、以下内容を規定しています。
- 修正法は、次の 2 点が該当する雇用主に適用されます。
- 従業員数 15 名以上。
- ワシントン州において、ビジネス、産業、専門業、または活動を実施。
- 雇用主は、求人掲載において、次の情報を開示する必要があります。
- 賃金表または給与範囲
- 全ての福利厚生および他の報酬の概要
- 雇用主は、異動または昇進を提示した従業員に対し、当該従業員の要求に基づき、該当する新規職位の賃金表または給与範囲を提示する必要があります。
「掲示」(posting)とは、求人募集を目的としたあらゆる勧誘を指し、第三者を通して間接的に募集する場合を含み、また電子的および紙面による掲載を含みます。
従来は、対象雇用主は、内定(job offer)を出した求職者または従業員が要求した場合にのみ、求職者には最低賃金・給与、従業員には賃金・給与範囲(存在しない場合は最低賃金・給与)の開示が求められました。修正法においては、雇用主は、新規の職位について、賃金表または給与範囲を設定して、福利厚生や他の報酬の概要と併せて求人情報に掲載し、また対象従業員に対しては、当該賃金表または給与範囲を提示する必要があります。
修正法に違反した場合、ワシントン州労働産業局による調査、罰金、または求職者や従業員への金銭的賠償が発生する場合があります。
【ご参考:賃金機会均等法 概要】
ワシントン州賃金機会均等法は、対象雇用主の従業員および求職者を、賃金および昇進の機会における性差別から保護することを目的としています。同法により、雇用主は、同等に雇用された労働者(”similarly-employed” worker)に対し、同一の報酬を付与する義務があります。この同等に雇用された労働者とは、同じ雇用主において、同等のスキル、努力、責任および職場環境にあり、同じ仕事上のパフォーマンスが求められる者を言います。なお、教育・訓練・経験の相違、年功(seniority)、成果・パフォーマンス、生産性・質に基づく報酬といった、性別以外の特定の理由により、賃金や昇進の機会に違いを設けることが認められる場合があります。
雇用主が従業員に対し、他者との賃金や福利厚生についての質問、開示、比較もしくは協議を禁じること、または、賃金に関する協議を禁じる文書に署名させることは、同法により禁じられています。また、従業員が賃金協議、苦情申し立て、その他同法で保護された権利を行使したため、雇用主が当該従業員に対して報復措置を取ることも禁止されています。
雇用主は、求職者の賃金・給与履歴や、過去の賃金・給与が一定の基準を満たしていることを求めることは、その回答が任意であっても禁じられています。従業員は、自己の賃金・給与履歴を、自発的に将来の雇用主に開示できますが、当該開示が本人の自由意思によることが必須です。雇用主は、求職者が自発的に賃金・給与履歴を開示した場合、または、雇用主が交渉して求職者に内定を出した場合は、求職者の賃金・給与履歴を確認することができます。
免責条項: 本ページ含め、本ウェブサイトは、一般的な情報をご提供するものであり、法的アドバイスを提供するものではありません。本ウェブサイトのご利用・アクセスにより、依頼者様と弁護士の関係を構築するものではありません。当事務所は、本ウェブサイトに掲載する情報の正確性、妥当性等に関し、細心の注意を払っておりますが、その保証をするものではなく、本ウェブサイトの利用によって、利用者等に何らかの損害が発生した場合でも、一切責任を負うものではありません。当サイトの利用にあたっては、利用者自身の責任において行っていただくようお願いいたします。なお、本ウェブサイトのコンテンツやアドレスは、予告なしに変更または削除されることがあります。また、本免責条項は、予告なく変更されることがあります。